おいっす。おーてぃーです。
突如早期アクセス版が配信開始となった『HADES II』をガッツリプレイしてみたので、感想を投下してみますよっと。
ちなみに前作は、Xbox版で80時間(全実績解除)、Steam版で30時間プレイしてます。
- プレイ時間:50時間(凶怖レベル16まではクリア)
- 使用ハード:PC、SteamDeck
早期アクセスの時点で遊びすぎると正式リリース前に燃え尽きるぞ...と思いつつやめられません。
とりあえず目標だった凶怖レベル16まではクリアしたので、この辺でいったんストップしておきたい。
良かった点
Ω技を含むアクションの刷新
前作での基本アクションは、通常攻撃・特殊攻撃・ダッシュ・魔弾。いくつかの武器・態にはチャージ攻撃があったり、特殊要素があったりしました。
これに道中で授かる神からの功徳(特殊効果を発揮するアップグレード)や、アクションを変化させるダイダロスの鎚を組み合わせて、アクションを強くしていくというのが『HADES』の基本要素であり面白さでもありました。
功徳と鎚の強化はランダムで出現するためリプレイ性が高く、試行錯誤を繰り返して武器ごとに強いビルドを発見するのがとにかく楽しさは本作でも変わらず。
そこからさらに、ダッシュの長押しによる疾走(スプリント)が出来るようになり、魔弾が魔陣に置き換わり、通常・特殊・魔陣にはそれぞれΩ技(チャージ攻撃)が実装。
アクションの選択肢が増えた結果、深み・複雑性が増して更に面白くなったと感じました。
前作の魔弾は特定の武器の態でしか火力を出せないような性能で、主に撃ち込んだときのダメージボーナスを狙うサポートスキルといった感じでしたが、本作の魔陣は「魔陣内の敵を足止めする」「Ω発動時は、消滅の際に魔陣内の敵に大ダメージ」という効果があり、素の状態でダメージソースとしてもサポートスキルとしても使える万能選手。
これに功徳を合わせることにより、魔陣をメインに据えた武器に依存しないビルドも可能で、プレイスタイルの幅を広げた感があります。
現時点では、武器種が5種類、それぞれに態が3種類ずつ用意されています(武器種はあと1つ、態もそれぞれにあと1つ追加される予定)。
どの武器も前作には無かった感じのプレイフィール(いくつかの態では、前作と似たようなムーブができるが)で、今はどの功徳・ハンマーと相性がいいか試行錯誤している段階だけど楽しい。
個人的なお気に入りは姉妹刃(デュアルダガー)。
前作とは違ってダッシュが連発できなくなったことに関して文句を言っている人が多いけど、ダッシュストライクを連打する戦い方が出来なくなったというだけで、むしろ今作で実装された疾走(スプリント)に慣れてくると、かなりスピーディーに動き回って戦えるのでこれはこれで気持ちいい。
Ω技・魔陣・疾走、という新要素をしっかり使って攻略してね!というSupergiant Gamesからの無言の圧をひしひしと感じるようなゲームバランスなので、前作と同じ戦い方・考え方をしているままだとあまり楽しめないかも。
ボリューム感が2倍
トレイラーにもある通り、今回は冥界ルートと地上界ルートの2ルートがあります。
地上界ルートの方はまだ未実装のエリアがあるものの、冥界とは違ったエリア構成、敵バリエーション、ボスがちゃんと用意されており、現時点でもしっかり楽しめます。
降月術
前作の「祈り」が廃止され、代わりに実装されたスキル。
前作の「祈り」は自動的に貯まるゲージを消費して使用するものでしたが、「降月術」は戦闘中に消費したマナが一定量になると使えるようになります。
「戦闘中に倒した敵を一体蘇生して戦わせる」「大ダメージを与えるビームを撃つ」「体力を回復する」など様々な効果が用意されていますが、特筆すべきはスキルツリーのような独自のアップグレードシステムを持っているという点。
最初はイマイチに感じた術も、アップグレードを重ねることで強力なものに変わっていきます(特に体力回復の術はぶっ壊れ)。
共闘イベントのバリエーション
前作の共闘イベントで参戦するのはタナトスだけでしたが、本作ではアルテミスをはじめ、あと何人かが参戦してくれます(誰が参戦してくれるかはネタバレになるので伏せておきますが)。
みんな独自のムーブで戦うので楽しい。
ストレスに感じた/改善してほしい点
早期アクセスということで武器・功徳効果のバランス調整はこれから行われていくと思うので、そこ以外で気になった部分を。
功徳の出現パターン
前作では基本アクションの功徳が出やすく、序盤に最低限の火力を確保しつつビルドの方向性を決めやすいように調整されていたと思うんですが、今作ではそういった配慮が感じられません。
第3エリアまで通常攻撃や特殊攻撃の功徳が出現せず、全然火力が出せないんだが?という状況にたまーに陥ります。
中途半端に感じられる属性システム
すべての功徳は、5つの属性のうちいずれかに分類されています。
この属性自体になにか特殊効果があるわけではありませんが、各神の功徳には「特定の属性を一定数集めている場合にのみ効果を発揮する功徳」というのが存在します。
そのため、武器にあったビルドを考えつつ、その上で属性の組み合わせも考える必要があり、ちょっとややこしいです。どの功徳にどの属性が付いているかなんて覚えきれないよ…
そのわりにはリターンがイマイチなものが多いので、現状ではあまりうまくいっていない印象(最大ダメージを15に抑えるやつはだいぶぶっ壊れだけど)。
第3エリアの構造
第3エリアでは、「小さい部屋をクリアして報酬を獲得していく」という従来の方式から、「大きな部屋に点在している複数の報酬を獲得していく」という方式に変わります。
試み自体は面白いと思うものの、部屋に入った時点ではどこに報酬があるかが分からないためにあちこち彷徨うことになり、テンポがよくないです。
金の木を使えば報酬の場所が分かるようになりますが、その金の木がすぐに見つからないこともあります。
通常のプレイならそこまで気にならないかもしれませんが、凶怖システムで制限時間を設定していると、ここでのタイムロスがあとに響いてくるときがあってストレスに感じます。
前作から使い勝手が劣化した「冥の書」
前作では、NPCの近くに立って書を開くとすぐにそのキャラのページが閲覧できるようになっていましたが、今回はそうなっていません。
そのため、好感度の確認に手間がかかるようになっています。
また、前作同様に各神の功徳一覧を見ることはできますが、功徳を受け取る画面ではなぜか参照できない仕様になっています。むしろそこでしか使わないんですが...
※書を開く操作が十字キー上に割り当てられている弊害だと思うのですが、他のボタンに割り当てても解決せず。そのうちパッチで修正されるとは思う。
結論
ヘルメスの如き速さでポチりましたが、自信をもって買ってよかった!と言えます。
マジで面白いし、しかもまだまだ伸びしろが残っているというのが嬉しい。
前作は超が付くほどの人気作だから当たり障りのない焼き直し+αぐらいに落ち着いてたらどうしよう...という不安はテクニカルテストですでに払拭されていましたが、早期アクセスの完成度が思っていた以上に高く、そしてボリュームもてんこ盛りで驚き。
HADESらしさはそのままに、新しいアクションや功徳効果を引っ提げ、期待以上にパワーアップして帰ってきました。
アクションの手触りが良く爽快感が高いのはもちろんのこと、ビジュアル、ボイスアクト、サウンドトラック、翻訳も相変わらずのハイクオリティ。
特に主人公キャラのモデルやモーションのディテールが前作よりもかなり凝った作りになっていて素晴らしいです。
ただ、登場するキャラとのやりとりに関しては前作のほうが好きだったかなー。まあ、これは単純に好みの問題。あ、アラクネ、ナルキッソスとかは好きです。
前作同様、とにかく周回を重ねていくことで色んな要素が少しずつアンロックされていく作りになっているので、序盤は主人公の性能が低くて結構キツい。
そのため「敵が固い」というのが批判ポイントとしてよく挙げられているんですが、魔札や武器のアップグレードをしたり、武器と功徳のシナジーを理解することで敵が固いと感じることは無くなります。ただそこに行きつくまでにちょっと時間がかかるかな、という印象。
敵が固いというものも含めて、前作と比べて云々といった批判はそのほとんどが「やり込んでアップグレードをし終わった時点の前作」と「ほとんどの要素が解放されていない時点の本作」を比べているように見受けられます。
序盤の辛さは前作も本作もそれほど違いがない気がする。
ただ、全体的な難度は上がっているような気がします。
特にラスボスは前作のラスボスと比べてめちゃめちゃに強く、最初の3回ぐらいはHPを半分も減らせないまま死んだりしてました。
前作をとことんやり込んだプレイヤーも満足できるような、手強いゲームバランスを目指して作られた感があります。
前作を遊んでいなくても楽しめるようになっているとは思いますが、前作をプレイしていないと味わえない驚きや楽しさ(急にアスポデロスに転送されるところとか、あの電磁砲を担いだエリスとのバトルとか、第4エリアがリフォームされたタルタロスだとか、ラスボス戦の舞台が前作のスタート地点だとか)が詰まっているので、前作未プレイの方は前作を遊びながら本作の正式リリースを待つのがいいと思います。
今後のブラッシュアップとコンテンツの追加が心から楽しみになる出来でまずは一安心です。
以上。ではまた。